尊厳死宣言は遺言でやらないで!-亡くなる前に意思確認が必要

 無料相談会などでときどき相談者に持参頂いた遺言書を拝見することがあります。中にはどのように財産を承継させたいか、のほかに延命治療をしないでください、といういわゆる尊厳死宣言に関する事項が記載されている遺言書を拝見することがありますがこれはNGです。

【尊厳死宣言とは】

 「尊厳死」とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え、または中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と解されています。「尊厳死宣言」とは、本人が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、または中止する旨等の宣言をすることをいいますが、この意思が本人の真意に基づくことを担保するため、公正証書によって行われることが多いです。
 なお、公証役場の尊厳死宣言公正証書の手数料は、11,000円程度です。

【医師等を拘束するものではない】

 尊厳死宣言公正証書を託された肉親等がそれを医師に示したとしても、医療現場ではそれに必ず従わなければならない訳ではありませんし、過剰な延命治療に当たるか否かは医学的判断によらざるを得ません。もっとも、あるアンケートの結果では尊厳死宣言公正証書などが示された場合は、尊厳死を容認しているケースが多いことが報告されています。

【NGの理由】

 もうお気付きだと思いますが、遺言書は本人死亡後に相続人等によって確認されますが、その時には既に本人は亡くなっているため、遺言書に記載した尊厳死宣言は意味をなさないのです。

【その他の不備事項等】

 無料相談会などで拝見する遺言書に意外と多い不備事項もしくは是非検討して欲しいと思われるのは、次のような事項です。
(1)(相続)財産が特定されていない。
  ①預貯金や投資信託等の金融機関、支店名、口座番号等の記載がない。
  ②不動産が住居表示となっているもしくは特定するには簡便すぎる。
(2)特定財産承継遺言のつもりで書いたが、包括遺贈になっている。
(3)予備的遺言
  無料相談会などで拝見する遺言書には、予備的遺言の記載のないことがほとんどです。
(4)遺言執行者の指定
(5)遺留分への配慮がない。
(6)相続債務(遺言者の未払い治療費や租税)や相続手続きに関する費用(相続登記に関する司法書士の報酬や実費等)を誰がどのように負担するかが書かれていない。

 現在は、遺言や相続関する書籍やネット記事が溢れているため、それらを参考に遺言書を書かれる方も多くなっていますが、いざ相続が発生した際にその遺言書により円満かつスムーズに相続ができるか、一度専門家に相談されることをお勧めします。

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