相続財産?それとも相続人(遺族)固有の権利?

相続業務や成年後見業務をしていると、相続財産なのか、相続人の固有の権利なのか、判断に迷うことががあります。相続財産であれば、遺産分割協議の対象になりますが、相続人(遺族)の固有の権利は遺産分割協議の対象に含めませんし、相続を放棄した人でも請求できます。今回はそんなケースを一部取り上げてみました。
【生命保険】
(1)死亡保険金
受取人の指定された保険金請求権は、受取人固有の請求権であって相続財産ではありません。医療保険金に付帯される死亡特約なども同様です。
詳しくは、「生命保険金や死亡退職金は相続財産となるか」をご覧ください。
(2)医療保険金・入院一時金・特定の疾病診断時に給付される保険金など
保険会社によって、給付金の名称は異なりますが、被保険者(被相続人)が病気やケガで入院したことにより、また、特定の疾病だと診断されたことにより発生する給付金です。入院等の事実が発生した時点で、被保険者に給付請求権が発生しますので、被相続人が請求していなかった場合でも既に発生した請求権は「未収金」として相続財産に含まれます。
【未支給年金】
未支給年金とは、国民年金や厚生年金などの公的年金のうち、受給者が死亡した月までに発生していたが、未支給のまま残っている部分です。未支給年金は、被相続人の相続財産ではなく、遺族固有の財産とされます。民法上の相続とは異なり、未支給年金は遺族の「生活保障」を目的とした制度だからです。
【協同組合の出資金返還請求権】
協同組合加入時の出金は、組合員が脱退(死亡含む)した際に返還される金銭債権です。この返還請求権は、被相続人が有していた金銭債権であり、民法上の相続財産に該当します。
【介護保険料還付金】
介護保険料の過払い分の還付金は、被相続人の相続財産に該当します。遺族固有の財産ではありません。これは、被相続人が生前に納付した保険料の返金であり、死亡後に発生した入金であっても「被相続人に帰属すべき財産」として扱われます。未支給年金とは異なり、遺族の生活保障を目的とした制度ではないからです。
【税法上の取扱い】
死亡保険金のように相続財産でなくとも、相続税法上はみなし相続財産とされ、相続税の課税対象となるケースもありますので注意が必要です。
相続手続き(遺産分割協議)においては、様々な専門知識が求められます。後々の紛争を防止し、円満でスムーズな相続手続きをするためにも是非、専門家にご相談ください。
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