帰化とは、外国人が日本で日本国籍を取得することをいいます。永住者と似ていますが、帰化した場合は戸籍に記載され、参政権(選挙権、被選挙権など)、一定の公務員としての就労、日本名への変更などさまざまな権利や手続きが可能となります。申請先も在留資格関係が出入国在留管理局であるのに対し、帰化申請は法務局になります。併せて、届け出による国籍取得についても解説します。

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<目次>
1.帰化と永住(者)の違い
2.帰化の種類
3.帰化するための要件
4.届け出による国籍取得
5.料金のご案内

1.帰化と永住(者)の違い

帰化と永住(者)の相違点をまとめると以下のようになります。

永住(者)帰 化
法的地位在留資格の一つで、日本に永住できる日本国籍を取得し、日本人となる
国籍従前のまま、変更なし日本国籍になり、従前の国籍を失う
在留管理在留資格の取消制度(※1)や退去強制制度(※2)等の入管法に基づく在留管理の対象在留資格の取消制度や退去強制制度等の入管法に基づく在留管理の対象外
メリット①日本での活動制限がなくなり、どんな職業にも就ける
②在留資格の変更・更新は不要(再入国の手続きは必要)
③住宅ローンの借入ができる
④配偶者が外国人の場合は、「永住者の配偶者等」という活動制限のない在留資格を申請できる
①日本での活動制限がなくなり、どんな職業にも就ける
②在留資格の変更・更新は不要(日本国籍なので再入国手続きも不要)
③住宅ローンの借入ができる
④配偶者が外国人の場合は、「日本人の配偶者等」という活動制限のない在留資格を申請できる
⑤選挙権・被選挙権が付与される
⑥公務員になることができる
管轄(申請先)出入国在留管理局法務局
<帰化と永住(者)の相違点>

(※1
現行入管法上、新住居地の届出をしなかった場合や虚偽の住居地を届け出た場合、不正の手段等により永住許可を受けた場合は、「永住者」の在留資格が取り消されることがあります。

(※2)
永住者であっても、1年を超える実刑に処せられた場合や薬物事犯により有罪の判決を受けた場合などは、退去強制されることがあります。

2.帰化の種類

帰化には、3種類あります。

<1>普通帰化
両親が外国人であるなど一般的な帰化をいいます。

<2>簡易帰化
申請者の個人的な身分が配慮される場合の帰化で、普通帰化より条件が緩和されます。

<3>大帰化
特別の功績のある外国人に対して、国籍法5条の帰化要件を満たさなくても、法務大臣が国会の承認を得て、その帰化を許可する特例です。前例はまだありません。 

3.帰化するための要件

ここでは、普通帰化の要件について説明します。帰化するには以下の7つの条件を満たす必要があります。

<1>住居要件: 引き続き5年以上日本に住んでいること。
<2>能力要件: 18歳以上で本国法によって能力を有すること。
<3>素行要件: 素行が善良であること。
<4>生計要件:生活をしていくのに十分な収入があることこと。
<5>喪失要件: 国籍を有せず、または日本の国籍の取得によって元の国籍を失うべきこと。
<6>思想関係: 日本または政府を暴力で破壊することを企んでいないこと。
<7>日本語能力:一定の日本語能力があること。 

一見するとそれほど難しくないように見えますが、細かく見ていくとそれほど簡単ではありません。7つの要件をクリアしていることを日本国内外、役所、勤務先等から様々な書面を取付けて申請書類・補強書類を作成し、それら書面および面接で立証していく必要があります。以下、主な要件ごとに簡単にポイントを説明します。

<1>住居要件:

1 度の出国日数がおおよそ3カ月日以上あると「引き続き」とは言えなくなります。また、1度の出国が3カ月以内であったとしても、一年間に何度も出国を繰り返し、合計 150 日以上程度出国していた場合も、「引き続き」とみなされない可能性があります。

<3>素行要件: 

前科や犯罪歴と交通違反がないこと、税金、健康保険料や年金保険料の未納がないことが必要です。申請者本人だけではなく、家族もこの条件をクリアすることが必要です。また、留学生時に資格外活動の許可を得てアルバイトをしたことのある方は、1週間あたり28時間までという条件を遵守していること必要です。

<4>生計要件: 

 貯金や資産がたくさんあるにことよりも、技能や定職を持ち安定した生活を送ることができるかが問われます。同居の家族の収入も含めて300万円以上の年収が目安とされているようです。しかし、家族が4人以上の場合は、さらに年収が必要となります。

<5>喪失要件:

日本は二重国籍を認めていないため、帰化許可申請許可が下り日本国籍を取得した場合に、 母国の国籍を失うことができるか、もしくは離脱することができなければなりません。 

4.届け出による国籍取得

一定の要件を満たす方が、法務大臣に対して届け出ることによって、日本国籍を取得する制度です。

<1>認知による国籍の取得(国籍法第3条)

日本人の父と外国人の母との婚姻前に生まれた子どもは、父から胎児認知されている場合を除き、原則として出生によって日本国籍を取得しません。しかし、父から認知された場合で、以下の要件を満たしている場合には法務大臣に届出ることによって日本国籍を取得できます。

〇届出の時に18歳未満であること。
〇認知をした父が子の出生の時に日本国民であること。
〇認知をした父が届出の時に日本国民であること(認知をした父が死亡しているときは、その死亡の時に日本国民であったこと)。
〇日本国民であった者でないこと。

<2>国籍の留保をしなかった者の国籍の再取得(国籍法第17条第1項)

外国で生まれた子どもで、出生によって日本国籍と同時に外国国籍も取得した場合、出生届とともに日本国籍を留保する旨を届出しなければ、その出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。ただし、日本国籍を留保しなかったことによって日本国籍を喪失した子どもは、以下の要件を満たす場合には法務大臣に届出ることによって、日本国籍を再取得できます。

〇届出の時に18歳未満であること。
〇日本に住所を有すること(「日本に住所を有すること」とは、届出の時に生活の本拠が日本にあることを指します。観光、親族訪問等で一時的に日本に滞在している場合等には、日本に住所があるとは認められません)。 

5.料金のご案内

国籍取得届等の手続き50,000円
帰化許可申請(被雇用者)200,000円
帰化許可申請(個人事業主・法人役員)200,000円
帰化許可申請(簡易帰化)150,000円
<税込>

書類取付代行サービスを付加する場合は、30,000円(税込)の加算となります。

※実費を別途、頂戴いたします。
実費の内容:翻訳代、交通費、通信費、書類取付代行時の書類代など。
翻訳は英語以外の本国言語で記載された書類を提出する場合に必要です。

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