デジタル技術を活用した新たな遺言方式について

【遺言のデジタル化】

 以前、「スマホで遺言できるようになる?―デジタル化の検討」と題したブログで、遺言のデジタル化について触れましたが、その後の法務省を中心とし検討状況についてご紹介したいと思います。
 法制審議会民法(遺言関係)部会第11回会議(令和7年7月15日開催)において、「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」が取りまとめられました。その中で、普通の方式におけるデジタル技術を活用した新たな遺言の方式の創設 として、3つの案が提示されています。

【普通の方式とは】

 3つの案をご紹介する前にまず、遺言の種類について整理しておきます。
 遺言の方式には、大きく2つに分けられ、1つは普通の方式で、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。2つめは、特別の方式による遺言で、これには死亡の危急に迫った者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言があります。秘密証書遺言はそれほど利用されておらず、特別の方式はさらにレアなケースです。
 ここでのお話は、普通の方式にデジタル時代に対応した新たな方式を加えようというものです。

 (普通の方式)
 ・自筆証書遺言
   ①法務局の保管制度を利用するもの
   ②法務局の保管制度を利用しないもの
 ・公正証書遺言
 ・秘密証書遺言
 ・デジタル技術を活用した新たな遺言(検討中)

 (特別の方式)
 ・死亡の危急に迫った者の遺言
 ・伝染病隔離者の遺言
 ・在船者の遺言
 ・船舶遭難者の遺言 

【デジタル技術を活用した新たな遺言の概要】

<1>甲案
 遺言の全文等を電磁的記録により作成し、遺言者による全文等の口述を録音等により記録して遺言する方式です。これには、証人の立会いを要件とする案【甲1案】と証人の立会いを不要とし、これに相当する措置を講ずる案【甲2案】の2つがあります。

<2>乙案
 遺言の全文等を電磁的記録により作成し、公的機関で当該電磁的記録を保管して遺言する方式です。

<3>丙案
 電磁的記録をプリントアウトするなどして遺言の全文等が記載された書面を作成し、公的機関で当該書面を保管して遺言する方式です。

 詳細は、法務省のホームページをご覧ください。

 それぞれの案に細かい方式(やり方)が規定されていますが、長くなりますので次回以降ご紹介してまいります。

 改正行政書士法では、行政書士は、その業務を行うに当たっては、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない、と謳われています。時代の変化に伴い、遺言のやり方も変っていきます。ご家族の安心、安全、円満な遺言書の作成は、是非、行政書士などの専門家にご相談ください。

 ⇒お問い合わせ

シェアする