在日コリアンの方の国籍について―3類型

 在日コリアンの方の「国籍」は、特別永住者証明書の表記や本国(韓国・朝鮮)への戸籍登録の有無により、実務上3つのタイプに分けられることがあります。これは法的な分類ではなく、便宜的な分類です。

【3類型】

①韓国籍登録者
 特別永住者証明書上の国籍欄は、「大韓民国」となっており、本国の戸籍(家族関係登録制度)に登録をしている方です。

②朝鮮籍者
 特別永住者証明書上の国籍欄は、「朝鮮」となっていますが、北朝鮮・韓国のいずれにも戸籍の登録のない方です。「朝鮮」は、朝鮮半島出身者の方またはその子孫という意味合いになります。

③韓国籍未登録者
 特別永住者証明書上の国籍欄は、「大韓民国」または「韓国」となっていますが、本国の戸籍(家族関係登録制度)に登録がない方です。

【歴史的背景】

 過去に日本が朝鮮半島を統治し、日本国内にも朝鮮半島出身の方が大勢いましたが、戦後の国籍離脱後に本国の戸籍に登録申請手続きをしなかった方や特別永住者証明書上の国籍欄を韓国に書き換えたり、書き換えなかったりした方がいるため、上記のようになっています。

【法的意味など】

上記①の方は、パスポートを保有しています。

上記②③の方は、特別永住者証明書上の国籍欄の記載は、日本の行政上の表記であり、法的な意味での国籍ではありません。パスポートは保有していません。

【生活上その他の影響】

<パスポートの取得可否>
上記②③の方は、パスポートを取得できません。

<在外公館での手続き>
上記②③の方は、このままでは婚姻・出産などの届出ができません。

帰化申請在留資格変更申請時>
上記①の方にくらべ、申請に必要な書類が整わなかったり、時間を要することがあります。

シェアする