従来の禁治産者・準禁治産者は今どうなっていますか?

滅多にありませんが、従来の禁治産者・準禁治産者だった方は、現在どのようになっているかとご相談を受けることがあります。

【被成年後見人、被保佐人とみなされる】

(1)禁治産者
 平成11年の民法改正により、改正前に禁治産宣告を受けている方については成年被後見人とみなされます(平成11年民法一部改正法付則3条1項)。
(2)準禁治産
 従来の準禁治産者についても同様に保佐人とみなされますが、心神耗弱以外の原因により準禁治産宣告を受けた方(主に浪費者)は、被保佐人とはみなされません。
(3)浪費者が被保佐人とみなされない理由
 旧制度の「浪費者」は、主に「家」の財産保全という目的が強く、本人の自己決定権の尊重という視点からは、単なる浪費行為を理由に法的能力を制限することに批判がありました。新制度(成年後見制度)は、本人の尊厳と自己決定権を重視するため、「精神上の障害」がなければ、たとえ浪費癖があっても、その人の財産管理能力を法的に制限するべきではないという考え方に基づいているからです。

【戸籍から登記へ移行】

  新制度施行に伴い、本人、配偶者等一定の者から申請により、戸籍の記載から後見の登記へ移行させることができます。原則として、自動的に移行されるわけではないので注意が必要です。
<必要書類>
・登記申請書
・禁治産宣告を受けた旨の記載のある戸籍謄抄本
・審判書の謄本
など

 なお、準禁治産者の場合は、審判書の謄本等により心神耗弱を原因として準禁治産者宣告を受けたことを証明しなければなりません。これが出来ないときは、旧法が適用され、被保佐人とみなされないため登記へ移行せず、従前どおり旧戸籍法の適用を受け、準禁治産宣告の戸籍記載が存続することになります。

【戸籍上から「禁治産」「準禁治産」に関する記載の削除】

 従来の禁治産者または準禁治産者について後見または保佐の登記がされたときは、登記官から戸籍事務を観照する市区町村長にその旨が通知され、この通知を受けた市区町村長は、当事者の戸籍から禁治産に関する事項を消除するため新戸籍を再製します。これにより、戸籍の身分事項欄に記載されていた禁治産宣告または準禁治産宣告に関する記載は、戸籍上から消えます。

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