無料相談会で見せられた遺産分割協議書-中間の相続が・・・

無料相談会でこれでよいかと見せられた遺産分割協議書の文案、相続人関係図まで添えられていました。一見、よく出来ていたのですが、中間の相続についての記載が抜け落ちていました。
以下は、個人情報保護法上、アレンジしています。
【相談者の説明】
相談者の申告では、亡き父親名義の不動産をもう一人の相続人である妹と話し合い、相談者が相続することにした、というものでした。
【相続関係図上は】
ところが、相続関係図を見ると父親の死後、数カ月後に母親が亡くなっていました。つまり、母親の相続分について数次相続となっていたのです。
【法定相続分】
法定相続分は、それぞれ以下の通りとなります。
<一次相続>
父親 ⇒ 母親1/2、相談者1/4、妹1/4
<二次相続>
母親 ⇒ 相談者1/4、妹1/4
【遺産分割協議の当事者】
一次相続の相続人である母親の地位を承継しているのは、相談者と妹の他にいないため、大事には至りませんが、このままでは法務局が登記申請を受け付けてくれないでしょう。時間ギリギリまでこの点を丁寧にアドバイスして差し上げましたが、登記申請上も的確な遺産分割協議書を作成するためには、やはり行政書士などの専門家に依頼した方がよいでしょう。
【中間省略登記】
本事例の場合、相談者と妹の遺産分割協議で一次相続では母親が単独相続したことにすれば、中間の相続人が結果的に1人となるため、登記名義人である父親ら最終の相続人である相談者に直接移転登記できます。
【母親の戸籍も必要】
なお、本事例では母親の相続人を確定するため、母親の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等も必要です。