遺産分割協議を始める前に―公正証書遺言の検索!

【相続手続きを進める前に】
親や兄弟が亡くなった際、相続手続き、特に遺産分割協議を始める前にやっておくことがあります。それは、故人(被相続人)が遺言を残していないかどうかの確認です。遺言がある場合、相続財産は遺言の内容に従って処分されることになるからです。
【遺言の種類】
遺言の方式には、大きく2つに分けられ、1つは普通の方式で、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。2つめは、特別の方式による遺言で、これには死亡の危急に迫った者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言があります。秘密証書遺言はそれほど利用されておらず、特別の方式はさらにレアなケースです。
(普通の方式)
・自筆証書遺言
①法務局の保管制度を利用するもの
②法務局の保管制度を利用しないもの
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
(特別の方式)
・死亡の危急に迫った者の遺言
・伝染病隔離者の遺言
・在船者の遺言
・船舶遭難者の遺言
【遺言書有無の確認】
自筆証書遺言のうち、①法務局の保管制度を利用するものと公正証書遺言については、その有無や内容について確認できる制度があります。今回は、公正証書遺言の有無の確認方法について説明します。
【公正証書遺言の検索制度】
これは、証書保存管理システムに記録された遺言公正証書の有無及び保管公証役場を検索することができる制度です。
⇒公証役場HP
1.遺言検索を請求できる方
相続人等の利害関係人
2.遺言検索に必要な書類
以下の書類を用意して、公証役場に出向きます。全国どこの公証役場でも構いませんが予約が必要です。
①遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等)
②遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本
③申出人の本人確認の書類(マイナンバーカード、運転免許証等の顔写真付き公的身分証明書等)
④相続人の成年後見人等が検索を請求する場合は、登記事項証明書。この場合、上記③の本人確認書類は成年後見人等のものを提示します。
3.結果の通知方法
検索結果は、その場で「遺言検索照会結果通知書」により確認できます。該当があれば、保管している公証役場に対して、遺言公正証書の謄本交付請求ができます。
下図は、該当が無い場合の通知書です。

4.費用
検索自体は無料です。
5.注意点
証書保存管理システムには、平成元年以降になされた遺言についてのみ記録されており、それ以前の分は検索できないので注意が必要です。昭和以前の公正証書遺言の有無を調査したい場合は、あたりを付けて公証役場に照会する他ありませんが、昭和と言えば約38年以前であり、その当時になされた遺言が今になって問題となることは多くないと思われます。
相続手続きは、相続人の調査・確認から始まり、財産調査、そして遺産分割協議書の作成、相続財産の名義変更、解約・払戻し等複雑で時間と労力を要することが多いものです。是非、行政書士などの専門家にご相談ください。
⇒お問い合わせ

