内縁の夫婦の子に相続権はある?-認知が必要です

【認知が必要】
結婚式を挙げ、長年連れ添っていても婚姻届を提出していない夫婦(内縁関係もしくは事実婚)に子がいる場合、その子は当然に相続人になるとは限りません。母親との親子関係は分娩の事実から明白ですが、父親との親子関係は、法律上夫が自分の子と認める認知をしていないと、子に相続は認められません。
【嫡出子と非嫡出子】
認知された子は、非嫡出子となります。婚姻外で生まれた子という意味です。これに対して、婚姻届を出して正式な夫婦の間に生まれた子を嫡出子といいます。嫡出子と非嫡出子の相続分は同じです。
なお、父親が認知せずに死亡した場合、死後3年以内なら裁判上認知を請求できます。
【内縁の配偶者の相続権】
これに対し、内縁の配偶者には相続権はありません。何らかの事情があって婚姻届を出せない場合は、配偶者から遺言で遺贈してもらうか、生前に死因贈与契約により、配偶者の死後、自宅や預貯金などの遺産を受け取る手立てを検討する必要があります。生前贈与も受けられますが、税制上、おしどり贈与の特例は法律上の婚姻関係にないため受けられません。
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【内縁の配偶者も遺族年金は受給できる】
相続ではありませんが、遺族年金は、被保険者または被保険者であった方が亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金であり、一定の要件を満たせば、法律上の配偶者だけでなく、事実婚関係にあった内縁の配偶者にも支給されます。