被相続人の名寄帳を取り付けるのなぜですか?

《名寄帳とは》
名寄帳は、不動産の所有者等に関する情報が記載された公的な書類です。相続手続きにおいては、被相続人が所有していた不動産の洗い出し(市区町村単位で、被相続人所有不動産の一覧が確認できます)やその価格の確認に有用です。相続財産目録作成の際は、是非取り付けてみてください。
名寄帳には、「価格」や「評価額」と記載されていますが、固定資産税評価額と同一金額です。但し、相続登記には、固定資産税評価証明書が必要であり、名寄帳で代用することはできません。
《課税不動産の掲載》
名寄帳には、登記の有無に関わらず、課税不動産が記載されています。従って、課税対象であれば未登記建物(倉庫や車庫、増築部分に多い)も記載されます。毎年5月頃市区町村役場から送られてくる固定資産税納税通知書と併せて確認してください。
《非課税の不動産は要注意》
公衆用道路などの非課税不動産は、市区町村によって対応が異なり、記載されていない場合がありますので、見落とさないよう注意が必要です。現地確認の上、公図を取得して所在地番を確認し、登記簿謄本を取得するなどの確認が必要な場合があります。
《名寄帳の正式名称》
市区町村によって、名称は異なりますが、例を挙げておきます。
・「土地・建物名寄帳記載事項証明書」
・「固定資産 土地・家屋課税台帳登録証明書(名寄帳)」
・「固定資産税課税台帳兼名寄帳」
《名寄帳のサンプル》

《名寄帳の取得方法》
(名寄帳の申請先)
名寄帳は、原則として不動産の所在地を管轄する市区町村役場で取得できます。東京23区内の不動産の場合は、都税事務所になります。
(申請に必要な書類)
名寄帳の申請に必要な書類は、以下の通りです。
〇名寄帳請求書(市区町村によって名称が異なります)
〇被相続人の除籍謄本(被相続人が死亡したことの証明)
〇申請者が相続人であることが分かる戸籍謄本
〇本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
〇委任状(第三者に取付を依頼する場合)
〇受任者の本人確認書類(第三者に取付を依頼する場合)
以上、ご参考になれば幸いです。