地縁による団体が認可地縁団体になるメリットは?

【認可地縁団体とは】
認可地縁団体とは、いわゆる権利能力なき社団であった自治会・町内会等の地縁による団体が市区町村長の認可を受けて法人格を付与されたものです。令和5年4月1日時点における認可地縁団体の総数は、約56,000となっています。
【地縁による団体】
地縁による団体とは、町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体をいいます。自治会、町内会、町会、部落会、区会、区など、名称はさまざまですが、良好な地域社会の維持および形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的としています。令和5年4月1日時点で全国に約30万の地縁による団体が存在しています。
【認可地縁団体になることのメリット】
地縁による団体が認可地縁団体として認可されると、法人格を付与され、規約に定める目的の範囲内において、法律上の権利・義務の帰属主体となり、土地や集会施設等の不動産を団体名義で登記することが可能となるほか、団体の活動に資する財産を団体名義で所有・借用することが可能となります。
さらに団体の持続可能な活動基盤の確立、法人が契約主体となることによる事業活動の充実化、法律上の責任の所在の明確化、個人財産と団体の財産との混同防止、対外的な信用の獲得等が図られます。
【不動産等の団体名義での保有以外の目的での地域活動例】
法人格付与により地域活動の活性化が一層促進され、次のような活動を行う団体も出てきています。
◎大型車両を団体名義で保有し、構成員相互による乗合サービスを運営することで、高齢者等がスーパーや最寄り駅、医療機関などへ出かける際の交通手段を確保する活動。
◎海沿いに位置し、漁業を営む住民が多く住む自治会において、漁港の維持管理業務等を受託する活動。委託料や補助金等は団体名義で受領する。
【認可地縁団体になるには】
地縁による団体が法人格を得るための認可の要件は、次の4つです。
①その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設等の維持管理等、良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること②その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること
③その区域に住所を有する全ての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員になっていること
④規約を定めていること
認可申請手続きは、規約や構成員名簿整備などの事前準備から始まり、総会の開催、市町村長への認可申請書類の提出等煩雑ですので、行政書士にご相談されるとよいでしょう。