胎児には相続権があります!-同時存在の原則の例外

【「同時存在の原則」の例外】
相続人となるためには、被相続人が死亡したときに相続人として存在していることが原則です(同時存在の原則)。
しかし、これを貫くと相続開始直後に生まれたような場合、わずかの差で相続権がないことになり、不合理だと言わざるを得ません。そこで、民法は、「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」と規定し、胎児に相続権を認めています。
【死産の場合】
ただし、死産の場合は、相続権はなかったことになります。
【遺産分割協議は、生まれてから】
遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があり、一人でも欠ければ、無効となります。そのため、胎児を遺産分割協議から外すわけにはいきませんが、遺産分割協議は成立したが、死産だったという場合、やり直さなけれならず大変です。そこで、胎児がいる場合、遺産分割協議は生まれてから行います。
【特別代理人の選任】
出生しても赤ちゃんは遺産分割協議が出来ないため、代理人を立てる必要があります。母親も相続人の一人であるときは、利害が相反するため、裁判所に特別代理人を選任します。これは、赤ちゃんに限らず、未成年の相続人がいる場合は同様です。