知的障害のある子との任意後見契約について

 知的障害のお子様がいらっしゃる場合、未成年のうちは親権に基づき監護保護を行いますが、成年に達すると法定代理人ではなくなります。そこで、任意後見制度を活用することができます。

《任意後見制度とは》

 任意後見制度とは、自分がまだ判断能力があるうちに、将来、病気やけがなどで判断能力が衰えた時に備えて、自分の代わりに財産管理や日常生活の世話をしてくれる人をあらかじめ決めておく制度です。契約締結は、公正証書によります。

《契約手続き》

(1)お子様に意思能力がある場合

 お子様に意思能力がある場合は、未成年でも(他方の親の同意は必要)、成人でもお子様自ら、親を受任者とする任意後見契約を締結することができます。

(2)お子様が未成年で意思能力がない場合

 お子様が重度の知的障害で意思能力がない場合でも、親(双方又は一方)を受任者として任意後見契約を締結することが出来ます。
 この場合、家庭裁判所において特別代理人の選任を受けた上で、受任者とならない親権者の片方と特別代理人とが共同で未成年者を代理し、受任者となる親権者との間で、任意後見契約を締結します。特別代理人の選任には、時間が掛かる(2~3カ月)ことに留意してください。

《新たな任意後見契約を締結する代理権》

 将来、自分の死亡や心身の衰えに備えて、任意後見契約上、新たな任意後見人を選任する代理権を付与することも認められています。(賛否ありますが)

《お子様が成年で意思能力がない場合》

 この場合は、任意後見契約を締結出来ないため、法定後見制度を利用することになります。後見人を選任するのは家庭裁判所ですが、後見人は、家庭裁判所に後見事務について定期的に報告を行い、その監督・指導を受けることなってます。後見人とよく連絡調整するとよいでしょう。 

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