後見制度支援信託について、教えてください。

《後見制度支援信託とは》
後見制度支援信託とは、成年後見人が後見人の財産管理にあたり、日々の生活費以外の預貯金などを別保管し、手元管理額を必要最低限にすることで適正な財産管理を担保しようとする制度です。
《家庭裁判所に申立て》
後見制度支援信託を利用する場合は、家庭裁判所に申立てて、後見支援預金口座を新規に開設します。金融機関には受け皿となる商品が用意されています。後見支援預金口座の金銭は後見人が自由に出し入れすることはできません。
なお、手元管理額は、200万円~500万円以内というケースが多いようですが、家庭裁判所によります。
《定期交付金》
被後見人の毎年の収支が赤字である場合に、定期的に後見人の手元管理の口座へ移す金銭を設定することができます。
《一時金の交付》
予定外の急な出費があり、手元管理金だけでは賄えなくなりそうな場合には、家庭裁判所に一時金の交付を申請することができます。施設への入居、病院への入院、自宅建物の修繕など。
《遺言がある場合》
被後見人が遺言をしている場合には、後見制度支援信託の設定をすることで遺言内容の実現に影響がでないか注意が必要です。相続開始時に後見支援預金口座に移された残額は遺産分割協議の対象になるからです。
《後見のみ》
後見制度支援信託を利用できるのは、後見のみです。保佐、補助は対象外です。
後見制度支援信託について、詳しく知りたい方は、裁判所のホームページに詳しい解説がありますのでご覧ください。⇒後見制度支援信託について