相続手続きで見かける株式の「特別口座」とは?

1.株式の特別口座とは
特別口座とは、株券電子化の際に、証券会社に預けられていなかった株券を、発行会社が信託銀行等に開設した「会社名義の口座」で管理する仕組みのことです。
2009年の株券電子化に伴い、それまで紙で発行されていた株券は効力を失いました。しかし、証券会社に預け入れられていない「タンス株券」をお持ちの株主様については、その権利を保護するために、発行会社が信託銀行等に特別口座を設けて株式を管理することになったのです。
つまり、特別口座にある株式は「証券会社ではなく、信託銀行等で保管されている状態」と言い換えることができます。
2.特別口座で管理する株式の相続手続き
特別口座にある株式を相続する場合、通常の証券会社での手続きとは流れが異なります。主な手順は以下の通りです。
まず、株式を発行している会社の「株主名簿管理人(通常は信託銀行)」に問い合わせ、相続の発生を伝えます。その後、必要書類(遺産分割協議書、戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書など)を取り寄せ、提出します。
手続きが完了すると、相続人の名義に変更されます。ただし、特別口座のままでは株式の売却ができません。売却を行うためには、ご自身が開設している証券会社の口座へ「振替手続き」を行う必要がありますので注意してください。
3.単元未満株式はどうなる?
相続財産の中に「単元未満株式(100株などの売買単位に満たない株式)」が含まれているケースも多々あります。これらも特別口座で管理されていれば、相続手続きの対象となります。
単元未満株式は市場で自由に売却できないため、管理に困る方も多いですが、以下のいずれかの方法で整理することが可能です。
・買取請求:発行会社に対して、その株式を買い取ってもらうよう請求する。
・買増請求:単元株数になるまで足りない分を購入し、通常の株式にしてから売却する。
相続手続きと同時にこれらの対応を行うことで、遺産整理をスムーズに進めることができます。
4.まとめ
特別口座での相続手続きのポイントをまとめると以下の通りです。
・特別口座とは、証券会社預け入れ外の株式を信託銀行が管理するための口座。
・手続きには、株主名簿管理人(信託銀行等)への連絡と必要書類の提出が必要。
・売却には、まず相続人名義に変更し、証券会社口座へ振り替える手順が必要。
・単元未満株式も買取請求などで整理できる。
特別口座は普段あまり意識することがないため、相続が発生した際に手続きが遅れがちです。まずは「どこの信託銀行で管理されているのか」を確認することから始めましょう。
5.不安な時は行政書士にご相談を
特別口座の相続手続きは、信託銀行ごとのルールや、必要書類の収集、さらにはその後の証券口座への移管作業など、専門的な知識が求められます。特に、複数の証券会社や信託銀行が絡む相続の場合、手続きの負担は非常に大きくなります。
「書類の書き方がわからない」「複雑で何から手を付ければいいか不安」という方は、ぜひ行政書士にご相談ください。行政書士は、遺産分割協議書の作成から相続関係書類の収集、特別口座の手続きサポートまで、窓口を一本化してスムーズな解決を支援いたします。一人で悩まず、まずは専門家と共に一つずつ解決していきましょう。
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