遺言書の保管場所はどこにする? - 銀行の貸金庫はNG!

【保管の目的物は?】

 遺言には、自筆証書遺言、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言等さまざまありますが、ここでは遺言書の物理的な意味での保管場所はどこがよいか、というお話です。保管の目的物は遺言の種類に応じて次のようになります。

<1>自筆証書遺言 
 ⇒ 自筆の遺言書そのもの

<2>法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言
 ⇒ 遺言書保管証、遺言書の画像情報に基づく写しなど

<3>公正証書遺言 
 ⇒ 遺言公正証書の正本・謄本またはCD-R等電磁媒体(※)

(※)「公正証書遺言の電子化」をご覧ください。

【さまざまな保管場所】

 上記の目的物を保管する場所としては、以下のような場所が考えられます。

(1)自宅に保管

(2)親族や信頼できる友人に保管してもらう

(3)遺言書作成に関わった行政書士などの専門家に保管してもらう

(4)銀行の貸金庫

 なお、保管場所のお話と関連しますが、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言では、遺言者死亡時に予め指定した人に保管通知をするサービスがあり、これは注目に値します。⇒指定者通知(死亡通知)

【銀行の貸金庫は安全・確実?】

 銀行の貸金庫は、セキュリティが万全で地震・火災等の天災にも強く、目的物の保管場所として一見よさそうに見えますが、次の理由から避けたほうがよいと言えます。

(1)相続開始後、貸金庫を開けるには相続人全員の同意などが必要。
・銀行によっては家庭裁判所の「遺言書検認の申立書」提出を要求されることがある。

(2)遺言者本人が亡くなると、原則として貸金庫は“封鎖”扱いとなり、開扉までに時間が掛かる。

(3)貸金庫の存在を家族が知らないと“永遠に発見されない”可能性がある。
・法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言、公証証書遺言のように検索制度(※)がない。

(※)検索制度については、こちらをご覧ください。
⇒ ①法務局
⇒ ②公正証書遺言

  

【公証人のアドバイス】

 先日も隣町の公証役場で公正証書遺言に証人として立会ましたが、最後に公証人が遺言者へ注意点として銀行の貸金庫には保管しないようにとアドバイスをしていました。

 遺言の目的は、遺言者の死後、相続人間の争いを防止し、遺言者の意思に沿って相続財産を速やかに分配・承継させることにあります。遺言書の存否が不明であったり、あるのが分かっていても容易に取り出せないようでは遺言をした意味が半減してしまいます。保管場所はよく検討しましょう!

 遺言には、さまざまな種類・方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。ご自身の状況、予算に応じた最適かつ安全・確実な遺言をするなら、是非専門の行政書士にご相談ください。
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