遺産分割協議 - 何も相続しないときは!

【はじめに】
相続に際し、「亡き父親の遺産は全て母親に相続させたい(妻と子が相続人のケース)」、「兄弟姉妹の遺産は妻に全て相続してもらいたい(妻と兄弟姉妹が相続人の場合)」、というケースがあります。この場合の遺産分割協議はどうすればよいのでしょうか?
【相続放棄ではない】
無料相談会でもよく聞かれるケースですが、相続放棄(民法第938条)ではありません。相続放棄は、次のようなケースで行います。被相続人のプラスの財産が1,000万円でマイナスの財産(債務)が2,000万円の場合、相続人は債務超過となっている1,000万円を相続人自身の財産から弁済しなければなりません。これでは相続によってかえって損をするので、このような場合に相続放棄がなされます。相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。
なお、一つ目のケースで相続放棄をすると、第2順位(被相続人の父母)や第3順位(被相続人の兄弟姉妹)の方が母親と並んで相続人となってしまい、意図しない結果になることがありますので注意が必要です。
【遺産分割協議書の作成】
上記のようなケースでは、母親や妻が全財産を相続する旨の遺産分割協議書を作成します。これには、相続人全員が参加しなければならず、財産を何ももらわないからといって、署名捺印をしない相続人がいると遺産分割協議書は無効です。母親や妻名義に相続登記はできませんし、それらの方が預貯金を払戻しを受けることはできません。金融機関によっては、預金残高により遺産分割協議書がなくとも相続人全員あるいは代表相続人の署名・押印があれば払戻しに応じるところもありますが、遺産分割協議書としては無効です。
【相続債務は別】
特定の相続人に全財産を相続させても、被相続人の債権者は法定相続分により、遺産を相続しなかった相続人に対しても債務の弁済を請求することができます。遺産分割協議はあくまで相続人内部の合意だからです。
相続手続きは、相続人調査に始まり、財産調査、遺産分割協議作成、預貯金の払戻し手続き等煩雑です。是非専門の行政書士にご相談ください。
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