相続財産調査 - 所有不動産記録証明制度とは!

【はじめに】
相続手続きでは、遺産分割協議に入る前に被相続人の全ての財産を洗い出す必要がありますが、特に価額の大きい不動は漏れなく把握する必要があります。この際便利なのが所有不動産記録証明制度です。
【所有不動産記録証明制度】
1.所有不動産記録証明制度とは
登記官において、特定の被相続人が所有権の登記名義人として記録されている不動産について一覧的にリスト化して証明書として交付する制度のことです。 令和8年2月2日に施行されました。 所有権の登記名義人が死亡した場合に、その所有する不動産としてどのようなものがあるかを相続人が把握しきれず、見逃された土地について相続登記がされないまま放置されてしまう事態が少なからず生じていいました。所有者不明不動産問題を背景に相続登記が義務化されたのを受け、これを実効性のあるものとするための手段の一つとして創設されました。
2.請求できる人
(1)所有権の登記名義人(法人を含みます。)
(2)上記の相続人その他の一般承継人(法人を含みます。)
3.請求方法
全ての法務局・地方法務局(支局・出張所を含みます)で書面又はオンラインで請求が可能です。 書面で請求する場合には、郵送での請求もできます。代理人による請求・受領も可能です。
3.検索条件
過去の氏名や住所も検索条件とすることができます。この場合、これらを証する情報(例:戸除籍謄本、住民票の写し、戸籍の附票の写しなど)を添付します。なお、登記事項証明書や名寄帳、固定資産税評価証明書では、過去の氏名や住所を証する情報と認めてくれないことが多いです。
4.所有不動産記録証明制度の限界
所有不動産記録証明制度では、登記された不動産が検索対象のため、未登記不動産を洗い出すことはできません。また、過去の住所で検索する場合、住民票の除票、戸籍の附票の除票の住所情報が抹消されている(※1)と除票に記載されないため、検索できません。なお、被相続人の生年月日は検索条件となっていません。
(※1)
住民票の除票、戸籍の附票の除票の保存期間は、令和元年6月20日の住民基本台帳施行令の一部改正により150年に延長されましたが、改正前の保存期間は5年間でした。平成25年以前の除票の情報は既に廃棄されていることがほとんどです。
5.名寄帳
未登記不動産を調査するには、名寄帳を取得します。ただし、名寄帳は市区町村単位で作成されますので、最後の住所その他住所履歴から当たりを付けて取得することになります。
相続財産の洗い出しは相続人調査や遺言有無の調査同様、遺産分割協議に入る前の重要な下準備です。遺産分割協議のやり直しといった事態にならないよう入念な調査を行うことが必要です。不明な点は、是非専門の行政書士にご相談ください。
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